「黒と青」
2005年 03月 11日
「黒と青」
(アナ・クィンドレン・著/相原真理子・訳/集英社/2205円)
書店で何気なく手に取り、本を開き、この作品の冒頭一行目の文章を目にした瞬間、なぜか「しまった、やられたっ!!」と感じたのを覚えています。というのは、この本は(内容はともかく)書き出しの一行ですべてを物語っていたからです。前評判も前知識もなく、直感だけを頼りにその場で即購入を決めさせるだけの衝撃が、そこにあったからです。
「はじめて夫に殴られたのは十九のときだった。」
これが、冒頭、書き出しの第一行目です。この一文が、この本のすべてを語っています。
話としてはドメスッティックバイオレンスを下敷きとしたフランス・ミステリで、主な登場人物は妻である主人公の女性と息子、そして暴力を振るう側の夫の3人。秘められたテーマは―――それぞれのモラル、それぞれの正義―――といったところでしょうか。世に出にくい家庭内暴力という社会の問題を、うわべのイメージで取り繕うのではなく、真っ向から直視した作品とも言えます。
【暴力夫? 別れればいいじゃん、私だったら即離婚だね~夫は逮捕させればいいんだよ逮捕!!】というように、他人事でしか物事を判断できない大多数の我々一般人には理解できない善悪・家族・親子の何たるかが、この本には詰まっています。
後々調べてわかったのですが、著者はピューリッツアー賞受賞者で、出版当時は全米で話題を呼びベストセラーになったとか。視点が鋭く、また、あいまいな常識をだらだらと書き並べないあたり等、さすがとしか言いようがありません。訳文も読みやすく、女性だけでなく男性にも読んで欲しい一冊です。ラストではわが身のモラルを問わざるを得なくなるような衝撃的なカウンターパンチもちゃんと用意されていますので、ご心配なく。
そうそう、表紙の絵がちょっと怖いのですが・・…まあ、その辺はカバー外すとか、ブックカバーをつけるなど御好みでご対処下さい~
(アナ・クィンドレン・著/相原真理子・訳/集英社/2205円)
書店で何気なく手に取り、本を開き、この作品の冒頭一行目の文章を目にした瞬間、なぜか「しまった、やられたっ!!」と感じたのを覚えています。というのは、この本は(内容はともかく)書き出しの一行ですべてを物語っていたからです。前評判も前知識もなく、直感だけを頼りにその場で即購入を決めさせるだけの衝撃が、そこにあったからです。
「はじめて夫に殴られたのは十九のときだった。」
これが、冒頭、書き出しの第一行目です。この一文が、この本のすべてを語っています。
話としてはドメスッティックバイオレンスを下敷きとしたフランス・ミステリで、主な登場人物は妻である主人公の女性と息子、そして暴力を振るう側の夫の3人。秘められたテーマは―――それぞれのモラル、それぞれの正義―――といったところでしょうか。世に出にくい家庭内暴力という社会の問題を、うわべのイメージで取り繕うのではなく、真っ向から直視した作品とも言えます。
【暴力夫? 別れればいいじゃん、私だったら即離婚だね~夫は逮捕させればいいんだよ逮捕!!】というように、他人事でしか物事を判断できない大多数の我々一般人には理解できない善悪・家族・親子の何たるかが、この本には詰まっています。
後々調べてわかったのですが、著者はピューリッツアー賞受賞者で、出版当時は全米で話題を呼びベストセラーになったとか。視点が鋭く、また、あいまいな常識をだらだらと書き並べないあたり等、さすがとしか言いようがありません。訳文も読みやすく、女性だけでなく男性にも読んで欲しい一冊です。ラストではわが身のモラルを問わざるを得なくなるような衝撃的なカウンターパンチもちゃんと用意されていますので、ご心配なく。
そうそう、表紙の絵がちょっと怖いのですが・・…まあ、その辺はカバー外すとか、ブックカバーをつけるなど御好みでご対処下さい~
by abchawaii
| 2005-03-11 01:21
| お勧めミステリ本