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ミステリ書評&水草水槽


by abchawaii
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「隣の家の少女」

「隣の家の少女」_d0000602_17163.jpg「隣の家の少女」
(ジャック・ケッチャム著/金子浩訳/扶桑社ミステリー/720円)



この小説はタダモノではありません。表向き、かなりエグイです。痛いです。ハッピーエンドを好む方は読まないで下さい。なのであまり人にはお勧めできません(爆)。

あらすじは、虐待されている隣の家の少女をのぞく少年の話、というか虐待される少女の話?なのですが、最後の最後まで徹底して残酷です。だから、この本のどこがいいの?と嫌悪感しか残らない読者も多い思います。読んでいて気持ち悪くなって、途中で読むのをやめてしまう人が多いかもしれません。私も一度途中で読むのをやめようかと思ったのですが、どうしても気になって再び気を取りなおし、再チャレンジで冒頭から読み直してみました。

そうやってようやく最後まで読んでみて、やっとほんの少し、なぜこの作品がこれほどまでに【作家・書評家などのクロウト連中から】絶賛されているのかが見えてきたような気がします。

そしてたどり着いたのが、これは……タダモノではないという結論でした。ジャック・ケッチャムが、作家として選ばざるを得なかった深遠なるテーマと、衝撃的で実験的な試みの結果生まれた作品と言うか、つまりこれは「あまりにも前衛的すぎた作品」なのです……。

名作として一般社会に受け入れられるのは100年後くらいかもしれませんね。というわけで買いです。間違いなく買いです!!
by abchawaii | 2005-03-11 01:07 | お勧めミステリ本